寄稿を頂きました。
めぞん一刻
まんがの最終回ということで何を書こうかなぁと考えた結果「めぞん一刻」に決めました。「めぞん一刻」というアパートの若く美しい未亡人響子さんと五代君を中心に賑やかなで謎めいた住人が良いスパイスになってストーリーを彩っています。
響子さんに長年恋心を抱いていた五代君はプロポーズします。が、響子さんの心の名にはいつまでも亡き夫が息衝いています。
ある日、夫の墓参りに行く響子さん。なぜか墓の前には五代君が来ていて何かを話しかけています。響子さんは隠れて様子を伺います。 「僕と結婚しても、響子さんはあなたのことを忘れない」「あなたは響子さんの一部なんだ」五代君はいつもの泣き言とも取れる言葉をお墓に話しかけます。
ここからが私の一番好きなシーンです・・・
「だから、あなたをひっくるめて、響子さんを貰います」
この言葉にはいつもの情けない煮え切らない五代君の姿はありません。むしろ全てを飲み込んだ男の決意を見た気がします。響子さんの心にいる人は亡くなっているからどうやったって勝てない訳です。でも、響子さんといたい。ならば・・・という非常に男らしい判断です。
影で聞いていた響子さんはもちろん泣いていました。五代君と二人で帰る響子さんは心の中で前夫に別れを告げます。五代君の大きな心に響子さんも自然と身も心も任せる覚悟ができたんでしょうね。
そして月日が流れ女の子の赤ちゃんが生まれます。「春の香りと書いて“春香”」素敵な名前です。そして最後のワンシーン。
「春香ちゃん。お家に帰ってきたのよ。ここはね・・・。パパとママが初めて会った場所なの」
響子さんは優しく、春香ちゃんに囁きます。これは堪らないシーンです。