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天使の囀り(貴志祐介)感想・書評&あらすじ・主人公には、タナトスフォビア(死恐怖症)の恋人が…ネタバレ注意。


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寄稿頂きました。

天使の囀り(貴志祐介)

ホスピスで働いている主人公には、タナトスフォビア(死恐怖症)の恋人がいた。しかし、ある日その恋人が自殺をしてしまう。タナトスフォビアだったはずの恋人が、何故自殺をしたのか――彼は自殺の前から、人が変わったように死を恐れなく、むしろ好ましいものと捉えるように変貌していた。彼は何故死んだのか、タナトスフォビアだった彼を変貌させたのは一体何が原因か、主人公は探っていく。

その先に辿り着いた結末は、新種の「寄生虫」だった。

この本は、映画にもなった「悪の教典」の貴志祐介さんが書いています。手に取った理由は、あらすじの「タナトスフォビアの恋人の変貌」そして、意味深な「天使の囀り」というタイトル。貴志祐介さんの作品は他の作品も面白いのですが、この作品で大ファンになってしまいました。

内容は、少しグロテスクな面を含んだサスペンスミステリー。内容は主人公と、他数名の人物の一人称で各章が構成されており、それぞれに「天使の囀り」というワードが出て来ます。全く関係の無いように思える登場人物、各章ごとに深まる謎が、最終章では「天使の囀り」というワードによって一つに結びつきます。
また、貴志祐介作品は細かい描写がとても緻密で、知識量の多さにも驚かされます。蜘蛛、寄生虫などが主ですが、それらの専門知識が本当に細かく描写されています。

また、ミステリーとしても惹きこまれるストーリー展開。最後には、「天使の囀り」というタイトルは本当に相応しい!と思ってしまいました。貴志祐介作品は面白いものが多いですが、これは是非色々な方に読んで欲しい一冊です。