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感想・書評ボクの妻と結婚してください。(樋口卓治著)あらすじ・展開はユーモアを含みつつ、ドラマチック…ネタバレ注意。


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寄稿頂きました。

ボクの妻と結婚してください。(樋口卓治著)

放送作家の主人公、三村は、ある日余命6ヵ月を宣告されてしまいます。彼は楽しい・面白いバラエティ番組を作ることを信条にしており、自分の死後、家族が楽しく過ごすことのできるよう、自分の死を悲しいものにしないよう、「妻の結婚相手を探す」という企画を立ち上げます。今まで自分が築いてきたあらゆるツテを使って、仕事で鍛えた企画力を駆使して、妻の結婚相手探しに自分の余命を使います。

相手を見つけるため婚活パーティに参加したり、妻の心を遠ざけようと他の女性と付き合うふりをしてみたり・・・。全ては愛する妻のため、余命を隠しながら奮闘します。
作者の樋口さん自身も放送作家をしているので、展開はユーモアを含みつつ、ドラマチック。余命という重い現実を持ちながらも、明るく、面白おかしく、物語は進展していきます。文章が軽快なので、サクサク読み進めることができます。主人公を不審に思う妻の視点も描かれており、お互いを思う気持ちが交錯していく様子が、せつなさを醸し出します。主人公の奮闘が愉快な中に、ほろりと涙を誘うところもあり、読んだ後は、自分の家族のことを大切にしたくなる、仕事に誇りを持ちたくなる、そんな作品です。