寄稿頂きました。
榊一郎「ストレイト・ジャケット」
数多く作品を手掛けてきた榊先生の作品の中でもよりダークな要素が強いのがことストレイト・ジャケットです。この作品は一般のファンタジー作品などと比べていわゆるグロ的な要素も多く、ある程度の年齢層以上の読者を想定して書かれている作品だと思います。
魔法一つとっても、他の作品のように単なる「必殺技」的なものではなく、魔法は便利なものではあるものの使い方を一つ間違えると魔族化してしまうという恐ろしいハイリスクな扱いとなってしまいます。この作品におけるほとんどの魔族はいわゆる怪物、モンスターという存在であり主人公であるレイオットら戦術魔法士らは元は人間である魔族たちを倒すために自らも魔族化してしまうリスクを背負って魔族たちと戦うという日々を繰り広げているのです。この設定だけを見ると某有名なアニメ作品と似ている印象を受けるでしょうが、このストレイト・ジャケットの方が遥かに以前に書かれた作品であり仮にオマージュであるとしたらこちらが元祖であると言えましょう。非常に読み応えのある作品なのでダークな作風に抵抗がなければ是非ともオススメしたいですね。