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感想・書評:オー・マイ・ガアッ! (浅田次郎)あらすじ・主人公の一人、大前剛が流れ着いたのは、一晩にして億万長者にも…ネタバレ注意。


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寄稿頂きました。

オー・マイ・ガアッ! ・浅田次郎

これほどまでにお人よしのおバカな大人が果たして存在するのか・・・主人公の一人、大前剛が流れ着いたのは、一晩にして億万長者にも一文無しにもなれる夢のラスベガス。そこで知り合ったのは、元キャリアウーマンにして身を売って生計を立てる梶野理沙32歳。そして、今となってはうだつの上がらないベトナム戦争の元英雄ジョン・キングスレイ―。

一癖も二癖もあるこれら三人が、何の縁か偶然に知り合い、そして行動を共にする。やがてカジノで史上最高のジャックポットを出すことになるのだが・・・
ここまで人生を背負ってしまったら、もし、これが自分だったら。そう思うと、普通ならば、これ以上ない悲壮感に苛まれ、生きていくことを諦めざるを得ないであろう重大事なのですが、何故かベガスの砂漠の如くカラッとしていて、おまけに大笑いの連続。タイトルにもあるように、主人公の名前が大前剛。これがアメリカ人にはオー・マイ・ガアッ! に聞こえ、バカ笑いを浴びせられたりします。テンポの良い笑いが連続・・・したかと思うと、時折人情味ある展開になったり。とにかく最後まで飽きさせず、長編ながら一気読みしてしまえる一冊です。
本人も大のラスベガス好きという、浅田次郎氏ならではのリアリズムもストーリーに厚みを持たせています。痛快にして爽快。浅田次郎氏ならではの傑作です。