ナカノ実験室

ナカノ実験室が行う実験的なブログです。

スポンサーリンク

感想・書評:疾走(上・下)重松清(シゲマツキヨシ)主人公が郷里を思い出す描写は圧巻です…ネタバレ注意。


【おすすめ情報】知らない人は損している!「アマゾン業務用ストア」で便利でお安く。

寄稿頂きました。

疾走(上・下)重松 清(シゲマツ キヨシ)著 角川文庫 ずっしり気が重くなる一冊です(笑)

上・下刊とあり、かなりボリュームのある内容ですが、非常に読みごたえのあるストーリーとなっています。重松清の小説は、以前から少し内容が若者向けかな、といった印象があり敬遠していたのですが、こちらはテンポよく話が進み、どの年代でも引き込まれる内容だと思います。

とにかく主人公はついておらず、話が進むにつれて読んでいるこちらまで気が重くなってきますが、どんな形であれ必死に生きようとする姿が惨めでもあり、たくましくも感じられます。
主人公が郷里を思い出す描写は圧巻です。寂しいような、懐かしいような、言葉にし辛い微妙な感情を再現しているのは、さすがだと感じさせられました。途中、残酷な表現が多々あるので、苦手な方はご注意ください。ただ、悪趣味的なものではなく、話の世界観を作るため、欠かせない描写であると思います。
ずっしりとした小説を読みたいときにはお勧めの一冊です。