寄稿頂きました。
火の粉 雫井脩介著 恐怖のノンストップサスペンス
裁判官の主人公が、無罪を言いわたした男が隣の家に引っ越してくる。ここからこの話はスタートします。徐々に距離を縮めてくる男に、裁判官は本当にこの男の無罪判決は正しかったのか疑問に持つようになります。
この男を巡って、家族同士でも疑心暗鬼になり、なにが正しいのかのかを巡り家族は分断してしまいます。何を考えているのか分からない不気味な男の行動に目が離せず、下手なホラー小説よりはよっぽどコワいです(笑)隣人関係のトラブルはよくニュースでも話題になっていますので、現実でも有りえないと言いきれない所がまた恐怖ですね。
全て読み終えると、題名に「火の粉」とつけた作者の感性に関心します。特に勉強になった、考えさせられたという小説ではありませんが、とにかくスピード感があり、人間の怖さに身も震え、読み始めると止まらない一冊です。