感想
最終巻まで読み終わった後、すごく胸糞悪かったです。誰も救われないし中途半端に恋をしているせいで好きと嫌いを言ったり来たりしている。舞台が北海道でシュウジが生活している街以外は彼が学校や普通の生活をしている間に消えていっているのでしょうがそれにていてはあまり詳しく描かれておらず気がついた時にはもう町のすぐそばまでとなっています。
読んでいて、死んでいく人たちのあまりの救われなさに何度も悲しくなりました。本当にこんなふうになっていくのだろうか、殺しあって民間人も巻き込まれて痛く苦しく死んでいくのだろうかと怖くなりました。最後、地球を脱出したちせとシュウジは食料もなくどう生きていくのか気になります。ちせを改造した張本人の研究者が一度だけ出てきますが彼の回想がなかったのが残念です。それと冬の日の朝、捨てられていた猫が実はもうすでに死んでいて、シュウジが見つける前にちせが木の下に埋めていたというエピソードも不快でした。
「世界の果てには君と二人で」という巻では本当に胸糞の悪い話が読めました。芽生えた小さな恋心のそのスキに殺されたなんて、しかも女の子の方は女として一番死にたくない殺され方をして誰も救われず誰も生き残らず。なんて無能なんだろうと思います。「戦争はこういうものだ」なんていう輩が出てきたら本当にクソな考え方だなと感じました。戦争したいと考えているやつなんか死ねばいいのにとこの作品を読んで強く思いました。