」で便利でお安く。- 原作:時雨沢恵一 作者:晴瀬ひろき
感想
戦闘機が出てくる作品ということは知っていたのでまた血なまぐさい話かなと思っていましたが、「宝」を見つけたことで一気にいがみ合いが解消されたことには驚きです。こういう物語はいいですね、とても。でももとの戦争の理由が「どちらが人類としって最初に生まれたか」なんて本当にあほくさいです。いまこの地球上で起こっている戦争も大半は宗教とかにまつわる戦いなので似てるなあと思いました。
主人公アリソンはすごく賢くてスカッとするような頭のキレる女の人でかっこいいです。ヴィルに対しては恋心なのかちょっとわかりませんが弟のように思っているのでしょうか、爽快な反応で恋心とかないのかな？と思ってしまいますが、「リリアとトレイズ」ではアリソンとヴィルの娘とあるので最終的には結ばれるのは素敵だなと思います。
戦争物ではよくありがちな、人間以外の生物は無視した設定ではなく、鹿を安易に殺したりしないという描写があってよかったです。飛行艇でのベネディクトとの戦いはアニメなど、動きがあればわかりやすいと思うのですが正直どう動いてどちらに向かって進んでいるのかよくわかりませんでした。（戦闘に興味がないせいかもしれませんが）さすがだなあと思ったのは軍服や紋章のデザインです。原作者の「キノの旅」という作品でもモトラドと呼ばれるバイクや主人公キノの服装もすごく細かく描かれていてこのアリソンという作品でも一切の妥協なく細かく描かれていて驚きました。通して思うのは、どんな理由であれ戦争というくだらない理由で無意味に死んでいく人がいるなら、政治家同士でじゃんけんでもして勝敗を決めればいいと思います。巻き込まないでほしい。
