感想
訳あって二人暮らしをする姉妹のお話です。過去のトラウマから、姉に異常に執着する妹。こういう行為は本人は当然の権利だと思っているからたちが悪いです。線の細く綺麗で瑞々しいタッチのイラストからは想像もつかないくらいに狂気に満ちた作品だと思います、静かに怖い。最初のシーンで、姉に首輪をつけるなどの異常行為からみられる精神状態は知りたくもありません。
そもそもの精神状態が幼いのか、いつも回想シーンでは切り取られた映画のような事を思いだしては変わっていく姉を憎みます。自分自身でさえ刻々と変化し、成長していくのに他人とずっとそばにいたいなんてやっぱり「飼う」という状態に近い感じでないと成立しないかと思います。自分の理想ばかり押し付ける妹の他人を受け付けないような目が気持ち悪いです。それと姉によく似た登場人物が出てくるのですが正直全く見分けがつきません。ボーイッシュな少女を描きたいのか少年を描きたかったのかはわかりませんがもう少し描き分けてほしかったです。読み進めていくうちに感動とも同情ともつかない恐怖に似たような感情がわきました。静かに壊れていく様子が私にはすごく怖いと感じます。妹にはあまり追い詰めないで進んでいけばいいと思います。絶対に独りぼっちにはならないのだから。