生きることを教えてくれた。『それでも、生きてゆく 』
わたしの、今でも胸に刺さるドラマ、それがこの『それでも、生きてゆく』です。
ある事件の加害者家族と被害者家族のそれぞれが、それでも、生きていこうと覚悟した最終話を、わたしは忘れません。
最終話では、お互い想いあっていた深見洋貴(瑛太)と遠山双葉(満島ひかり)の2人が、初めて遊園地でデートをします。
深見洋貴(瑛太)は、妹の深見亜季(信太真紀)が殺された当日、レンタルビデオ店で友達とアダルトビデオを借りていました。それがトラウマとなり、おそらく女性とは付き合った経験はなく、デート自体が初めてだったんじゃないかな。
一方、遠山双葉(満島ひかり)は男性と婚約していたが、野本響子(大竹しのぶ)が興信所を使って嫌がらせのビラをまいたり、嫌がらせの電話をかけたりしていたため、婚約は破棄されています。
しかし、想いあっていた2人は最終的には、結ばれませんでした。お互い、書いた手紙を木にくくりつける距離に落ち着いたのです。
一般的には、それはバッドエンドかもしれません。
でも、わたしはそうは思いませんでした。
それは2人にとって普通にお付き合いするよりも、余程結びつきが強いものだと
わたしに確かに感じられたのです。
双葉は兄が暴力を振るったために意識不明になっている女性の代わりに、その娘の母親として生きることを選びます。
また、深見は最後のシーンで、15年もの間延滞していたアダルトビデオを返却しました。
わたしには、トラウマとなっていたアダルトビデオを返却し、過去を忘れてしまおうとするのではなく、双葉と同様に事件を受け入れ、事件のことは一生忘れずに それでも、前を向いて 懸命に生きていくことを決めた瞬間ではないかと思います。
賛否両論ある作品であることは承知していますが、被害者家族、加害者家族の物語ではなく1つの愛のかたちをも感じることができるこの作品は、本当に素晴らしいです。
ありがとう寄稿。
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