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感想・書評「太宰治の辞書:北村薫」ネタバレ注意「円紫さんと私」シリーズの最新作(レビュー)。 #読書


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太宰治の辞書:北村薫 「円紫さんと私」シリーズの待望の新作

北村薫による「円紫さんと私」シリーズの最新作です。前作「朝霧」以来の久しぶりの新作でワクワクして手に取りました。経過した年数とほぼ同じくらいに、登場人物も年を重ねており、あれ?と若干の違和感を感じる反面、主人公「私」と共に自分も成長してきたようにも感じられて、ファンには嬉しくも思います。

今作は太宰治に関するエピソードから、謎解きをする「私」が描かれています。円紫さんの、答えへの導き方もあの頃と変わりません。「私」には劇的な変化が訪れており、前作までの彼女を知っていると、微笑ましいというか、一体どうしてそうなったのか詳しく知りたくなります。またお馴染みの正ちゃんも登場し、年月が経っても相変わらず交流を深めているようで、こちらもなんだかホッとしました。特に印象に残ったのは、「私」の務める出版社の先輩とのエピソードです。衝撃的な事実が判明するのですが、終わってから伝わる「真意」、その人の本当の思い…自分の身の回りのことと当てはめてしまい、とても心に染み入ってきました。