宮部みゆき「レベル7」:2つの目線の話はどう繋がる?
「level7」という文字を腕に入れられて目覚めた記憶喪失の男女が、自分たちの記憶と何故記憶をなくしてそこに居たかを探る話。「レベル7まで行くと戻れない」という言葉を残して失踪した女子高生を探す女子高生と交流があったカウンセラーの話。全く無関係に見える2つの物語が交互に展開されていきます。
でも、所々でこの描写が指している人物って?とか、色々な伏線があって、そこからあれこれ想像するのが読んでいて読み応えがありました。女子高生の残した「レベル7」はローリングプレイングゲームかと思いきや、実は全く違ったものでした。読んでいると想像に難くないものではあったのですが、それらが記憶喪失の男女にも関係してくるのは、なるほど!と言った感じで面白かったです。個人的に好きなシーンは、女子高生を探してある場所にたどり着いたカウンセラーの女性が、自分の小学生の娘を使って演技してその場所を探ろうとするシーンです。私自身にも娘が居るため、このカウンセラーには感情移入してしまい、ハラハラしました。宮部みゆき作品の魅力再発見の作品です。