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感想・書評『コンウェイ・モリス:カンブリア紀の怪物たち』ネタバレ注意「大爆発と言うほどの大きな進化が起きた現象でもなかろうという見解」(レビュー)。 #読書


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コンウェイ・モリス「カンブリア紀の怪物たち」。カンブリア大爆発は「大爆発」と言うほど大きかった?

カナダのバージェス頁岩で発掘された、カンブリア紀の奇想天外な生き物に関する著作で、古生物マニアにとっては新たな知識を多数仕入れることができます。そして、本書の後半を占めるグールドへの反論と批判には読み応えを感じました。
従来の説によれば、「カンブリア大爆発は、従来の生物学の常識で説明できないほど独特で奇天烈」とされてきました。しかし、大爆発と言うほどの大きな進化が起きた現象でもなかろうという見解を根拠と併せて示すことで、カンブリア紀の生物群だって実はそれまでの生物分類にも十分当てはまるものだったとタネ明かししてゆく流れが興味深いものでした。
いたずらに話題性を追求した『ワンダフル・ライフ』への批評は、今となっては広く認識されるようになったようです。「昔と今では生物の種はどちらが多いか」といった視点など、進化の考えや仕組みはほかにも何通りかあります。そのいくつかを比較するために必要なコンウェイ・モリスの考えを知ることができました。