『万葉の花』(片岡寧豊):現代に生きる万葉集の花
万葉集と言えば、日本最古の和歌を集めた全集として燦然とした輝きを放つ古典文学です。そして、万葉集には草木を織り込んだ和歌がかなりの数、詠まれています。ですが、コンクリートジャングルに住む私達にとって、万葉集に詠まれる草木は縁遠いものになってしまっています。
『万葉の花』は万葉集に詠まれた草木を写真付きで紹介している、いわば万葉集の草木のガイドブックとなります。美麗な写真と解説文を読むといかに昔の人が草木に愛着を覚え、それを自分の日常に織り込む工夫をしたかがわかります。昔の人は文字通り、自然と一緒に生きていたのだと感じるほどです。万葉集の世界の豊かさや昔の日本人の感性の豊かさを感じるには、『万葉の花』を片手に持つのが最も早道でしょう。単純な植物図鑑としても十分使えますので、子供から大人まで幅広い世代にオススメできる本です。古文と植物のコラボレーションを『万葉の花』で味わってみてはいかがでしょうか。