スマホを落としただけなのに 志駕晃
2017年のこのミス大賞隠し球ということで、興味をもち手にとりました。題名の通り、スマホを落としただけなのに!そこから繰り広げられる事件に徐々に巻き込まれていく様子は、とてもスピード感があり終始ハラハラしながらあっという間に読み終える事が出来ました。
男の人がスマホをタクシーに忘れる所から物語が始まり、スマホを置き忘れた男の彼女と、スマホを拾った連続殺人犯と、事件の担当をしている刑事の三名の視点で話しが進められていきます。この誰しもが経験したことのありそうな、またついやってしまいそうな「スマホを無くす」という日常が事件の発端になっているというのが、身近な事に思え、ヒヤリとする恐怖感を与えてくれます。その後の展開もSNSや、いたずらメール、最近顔を会わせていないけど連絡を取り合っている友達など、若者なら誰しもが経験のある展開で分かりやすく進んでいくので、理解しやすく読みやすかったです。
ここまでの事にはならないにしろ、自分のセキュリティを考え直すきっかけにもなったので、身近な所に潜む危険を知るためにもぜひ色んな方に読んでいただきたいと思います。