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感想・書評『老後の資金がありません:垣谷美雨』ネタバレ注意「今回の主人公はどこにでもいそうな節約上手の主婦」(レビュー)。 #読書


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「老後の資金がありません」垣谷美雨

垣谷美雨さんの小説が好きで今回の本を読んでみました。
今回の主人公はどこにでもいそうな節約上手の主婦です。
家事をしながらこつこつとパートもこなして、一千万円以上の貯金を築いてきました。
ところが娘の結婚費用、義父の葬式代などに思わぬ大金を払うことになり、貯金がどんどん減ってしまいます。
その上夫がリストラされというストーリーです。
物語を読んでいて、主人公に落ち度はないのに、どちらかといえば家族のため、老後のためにつつましい生活をしてきたのにかわいそうになってしまいました。
そして豪華な老人ホームに住んでいる義母への仕送りができなくなり、義母をマンションにひきとって同居します。
そこから思わぬ方向へストーリーが進んでいきます。
主人公の友人の母親が行方不明になり、市の職員の訪問のために、義母がなりすましのアルバイトをして10万円もらってしまいます。
この義母の行動に、恐れつつも同調してしまいます。
思っていたよりも仲良く義母と暮らせるのですが、義母は結局、実の娘の元に引っ越していきます。
最後には夫の再就職もきまり、なんとか平穏な暮らしが戻ってきます。
読者として、これからややってくる自分の老後などについても思いをはせてしまいました。
節約だけしていても、何か大きなことで貯金がなくなってしまったりすることは誰にでも起こりえます。
病気、親の介護など色々な理由があると思います。
主人公のように悲観しつつも前に進み、問題を解決していける人は強いのではと思いました。
友達がいるということも老後の大切な要素のひとつだとも思いました。