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芳山和子という人物の物語(アニメ版では主人公の叔母として登場している)感想・書評『時をかける少女:筒井康隆』ネタバレ注意(レビュー)。 #読書


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時をかける少女 筒井康隆 今更ながら時かけの原作を読んで見ました!涙が止まらない。

細田守監督のアニメ映画、『時をかける少女』を観て原作の時をかける少女を読みたいと思い買ってみました。著者:筒井康隆の時をかける少女は一巻完結で一冊まるまる時をかける少女の内容かと思いきや短編集の様になっているものでした。でも内容はかなり濃いもの。
アニメ版の主人公とは違い、芳山和子という人物の物語です。(アニメ版では主人公の叔母として登場している)
和子はタイムトリップの力を手に入れ、喜ぶのではなく力に驚き恐怖を抱いていました。その描写があまりにもリアルで目に見えるようでした。タイムリープの能力をつけてしまったきっかけを作った深町一夫に、一夫が未来に帰る為には記憶を消さないといけないと言われた時の芳山和子の『記憶を消さないで』というセリフはずっといまでも頭に残っています。友人として、また愛している人の記憶を消されると知った主人公のポロリとこぼした一言は主人公の気持ちになると涙が止まりませんでした。
筒井康隆独特の世界観が前面に表れたSF小説で良かったと思います。生きるものとして時間をの流れには逆らえず今生きている時間を大切に生きなければいけないと教えてもらえる小説だったと思います。