「おせっかい屋のお鈴さん」 堀川アサコ・著
仙台のお寺に、父親の墓参りに来た主人公が、うっかり墓石につまずいてしまいます。
そのお墓の主が「お鈴さん」です。未練を残して亡くなってから、160年もさまよっています。
その「お鈴さん」に、奉公人にしてあげると言われて、ある意味たたられてしまい、手足のように使われてしまいます。
主人公も「お鈴さん」を見ることができる体質だったのです。いろいろな問題を主人公を使って解決していきます。
それが「お鈴さん」の未練を晴らすことにもつながっていくのです。ちょっと、いや、かなりわがままな「お鈴さん」ですが、幽霊ですので、主人公は言われたとおりにするしかありません。
でも、主人公にとっても、良い結果を招くのです。「お鈴さん」が心配で、同じく幽霊になってしまっている「番頭さん」が、笑えます。
江戸時代のお嬢さんですが、うまく現代に適応した幽霊になっています。
幽霊話ではありますが、決して恐ろしくはなく、楽しめる話です。あったかかわいいファンタジーですので、ジュニアにもおすすめです。