」で便利でお安く。「ぐるぐる♡博物館」 三浦しをん・著
全国にある様々な博物館を、実際に著者が訪れて紹介するルポエッセイです。
三浦しをんさんのエッセイは小説とは印象がびっくりするほど違い、とにかくユニークで楽しいので大好きです。この本もまったく堅苦しくなく、博物館について疎くても問題なく読めました。
どれもこれも行ってみたくなるところばかりですが、私が一番興味をそそられたのは「めがねミュージアム」です。手作業でメガネを作っていた時代から長年職人を続けてきた方の並々ならぬ情熱を知り、胸打たれました。私はド近眼な上に乱視もひどいのでメガネは必需品なのですが、せっかくなら体験工房で自作してみるなんていいですね。ミュージアムショップではメガネをモチーフにした商品の品ぞろえが豊富とのことで、雑貨好きなので興味津々食い入るように読みました。
また、「ボタンの博物館」も素敵でした。装飾品の枠を超えて、もはや美術品だなと思える美しいボタンの写真を眺めているだけで、思わずうっとりしてしまいます。博物館というのは、人間の探究心がつまった場所なのだなぁとつくづく思いました。あとがきで著者が「人間が生きる意味なんじゃあるまいか」とまで語っていたように、なにか壮大なものに触れたような気持ちになる不思議さを感じました。
