「おんなの窓」6巻 伊藤理佐・著
伊藤理佐さんが日常のあれこれを綴ったコミックエッセイ第6弾です。
日々のたわいない一コマなのに、一風変わった視点で描かれているのが面白いですね。印象に残ったのは、旅先に下着を持っていくのを忘れたというエピソードです。絶望的な気持ちになり、そんなことにはまるで気づいていない夫を見て「夫婦でも私の痛みは私だけのものなのね」というところまで思いを馳せてしまう姿には笑いました。
似たようなことを私も考えたことがあったので、すごく共感を覚えました。夫婦だからといって、全てを分かりあえるわけではないですからね。理佐さんのように、時々自分に言い聞かせながらうまいことやっていく処世術を身につけたいものです。
理佐さんを見ていると、結婚出産して以降も女は自分の人生をもっと楽しんでいいんだよ、と言われているようで少し嬉しいような気分になります。俳優さんやタレントさんを「もしも自分の息子だったら」という気持ちで応援するのは、ある程度年を重ねた女性の特権ですね。私もその扉を開ける日が近いかもしれません。