「あしながおじさん」 ジーン・ウェブスター・著
子供の頃に何度も繰り返し読んで大好きだった「あしながおじさん」ですが、大人になり記憶も薄れてきて、ふとどんな内容だったか気になって無性に読み返したくなり手に取りました。
孤児院で育った主人公のジェルーシャは、匿名の裕福な紳士から奨学金をもらい、幸運なことに大学に通えるようになります。そのまだ見ぬ人物に宛てて、ジェルーシャが書く手紙だけで物語が進んでいくのは、やっぱり素敵だなぁと改めて感じました。
なんとも魅力的なのは、不幸な生い立ちなのにもかかわらずジェルーシャには底抜けの明るさがあり、またユーモアのセンスが抜群なことです。今日では少々差別的な表現もところどころあるのですが、それも含めて名作というものは時代を超えた素晴らしさがありますね。自分の運命を変えた紳士の長く伸びた影だけを見たジェルーシャが、あしながおじさんというニックネームをつけたくだりは何度読んでもワクワクします。
王道だと言われても、やはりシンデレラストーリーは大好きです。最近ミステリーばかり読んでいたので、久々に心が洗われたような気持ちになれました。