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感想・書評『リリエンタールの末裔:上田早夕里・著』ネタバレ注意「SF短編作品集です。短編が4作載っていますので」(レビュー)。 #読書


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「リリエンタールの末裔」 上田早夕里・著

SF短編作品集です。短編が4作載っていますので、読みやすいです。時代の設定が、ず~っと未来やら、ちょっと未来、あるいは歴史の流れが違う世界などになっています。それをわかっていて読めば、SFだから難しいと、思うことはありません。
本の題にもなっている「リリエンタールの末裔」は、ず~~っと、未来の世界。地球上の大半が海に覆われ、少ない陸地で人間は暮らしています。時代の変化の流れで、背中に小さな「腕」が生えて生まれるようになった、貧しい民。空を飛ぶことが大好きだった少年が、都市に出稼ぎに行くのです。子供の頃に「翼」にのって空を飛べたことを忘れられません。
都市で、差別されながらも、大人になっても飛べる「グライダー」の開発に協力しながら、都市上空を飛ぶ夢を実現させる、ファンタジーでもあります。
「リリエンタール」は、「ライト兄弟」以前に、グライダーで、空を飛ぼうと思い、空を飛ぶ実験中に墜落して亡くなっています。「空を飛びたい」という人間の夢を実現しようと試みた人です。
他の3作品も、SFではありますが、人と人との切ない思いや、人のつながり、家族などを大事に描き出しています。上質の作品集です。