私の家では何も起こらない(著:恩田陸)美しい雰囲気のホラー
すごく不気味で怖いけど引き付けられる本でした。
スプラッタや、幽霊が怖いというか後ろからそーっと迫ってくるようなじわじわとした怖さです。
雰囲気的には世にも奇妙な物語のような感じでしょうか?
昔の童話のような、美しく感じられるけど怖い感覚でした。
子供が数人もさらわれ殺されたり、姉妹が喧嘩してお互いを殺しあったり…とそこに住み
死んでいった人たちの日常を少しずつ追っていく…という話です。
時列系が行ったり来たりしていて、あの人はこの人の先に住んでいたのか?と考えるのが楽しいです。
途中、アップルパイを焼いたりピクルスを準備したり温かいミルクを入れたり…とちょこちょこ挟まる食べ物の描写がおいしそう。
舞台は丘の上に立つ古い家。他にも家の中に置かれているロッキングチェア、大きなオーブンで焼かれるアップルパイの甘い香り…など
欧米の空気がぷんぷんしていて、そういう雰囲気が好きな人にはたまりません。
ただ、猟奇的な殺人や幽霊などそういったものがメインな本なので文章でも怖いのが無理だという方はご注意を。