」で便利でお安く。「ヒトリシズカ」 誉田哲也・著
男が拳銃で撃たれて死亡します。司法解剖した法医学者から、心臓に達していた弾丸は、一度止まってから、また動いたと報告が来ます。いったいそれは？どういうことなのか？・・始めから、大きな「謎」が、立ちふさがります。犯人はだれなのか？
この物語の影には、一人の少女がいます。主人公はこの少女です。常に事件に関わっているのですが、なかなか姿が見えてきません。８歳の頃にさかのぼっての事件が描かれてきますが、その頃にもう少女は一人の「女性」だったのかもしれません。
複雑な育ち方が、普通でない少女を誕生させたのです。なかなかに救いのない、重たい話です。つらい話でもあります。でもこの本を読んだ後のつらさと疲れが、心にいつまでも残ります。この著者の別の作品も読んでみたくなります。
書名の「ヒトリシズカ」はこの主人公の少女をイメージしたのであろうと思われます。さりげなくここに居ますが、実は他人には想像もできないことを考えているのではないでしょうか。
