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感想・書評『円城塔:道化師の蝶』ネタバレ注意「シュルレアリズムは現代にかなりアピールできる内容なのだ」(レビュー)。 #読書


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円城塔「道化師の蝶」戯れの未来文学

円城塔と云えば、シュルレアリズムをSFや文学とつなげて現代に蘇らせた、文学の錬金術師の観がある。
その円城塔は伊藤計劃が残した原作をもとに正統派ヴァンパイア小説「屍者の帝国」を描いたりしている。一方芥川賞を受賞するなど、純文学の分野でも新進気鋭の作家として活躍をしている。
その円城塔の「道化師の蝶」にはたくさんの本が登場する。
それはある限定した条件に読むのにふさわしい本だった…。そのような本が売れる時代がいつか来るのか、と想像したが、ここには物を作ることと売れることは違うことが描かれている。
偶然(かどうか知らないが)、円城塔は売れた。よく考えたらシュルレアリズムは現代にかなりアピールできる内容なのだ。一見意味の分からないことが書いてあるのが文学であり、当然小説の冒頭で突然「吾輩は猫である。名前はまだない」と書かれたりしたら「…(絶句)」してしまうだろうし、日記の内容を人に読まれたくないからって全てローマ字で書いたりしたら「…(読めない)」となる。
じゃ円城塔の小説は読めるのか。…読める、面白い、けど実際円城塔さんが何を考えてこの小説を書いたのかまではわからない。でも面白いから構わないよね。
是非、お読みください。脳みそがデトックスします。では。