【Aではない君と】【薬丸 岳】
もともと薬丸岳さんが書く小説が好きだったのですが、今回も期待にそぐわない小説でした。いつもながらの少年犯罪に関する事柄をテーマを元に読みやすく、それでいて最後までどうなっていくのか、読み手の想像を超えてくるストーリーとなっていて一気に読みきることができました。
テーマがテーマなだけに読んだ後すっきりとした気持ちにはなれませんが、読みながらも読み終えてからもいじめや親子の絆に関して改めて考えさせられる一冊となっています。私はまだ子供がいないですが、もし子供を産み、その子がいじめる側やいじめられた側になった時に気付いてあげられるのか、正しい方向へと導いてあげるにはどうすればいいのかをまじまじと考えさせられました。近年、いじめが悪化していき最終的に人を殺してしまった人やいじめにより自殺した人のニュースが大きく取り上げられています。しかし、それらはどこか遠くの出来事のように感じて真剣には考えられない人の方が多いのが現状でしょう。そのため、そのような人にこの本を読んでもらい、いろいろな視点からの考え方を知ってほしいと思います。