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感想・書評『シェイクスピアを盗め! ゲアリー・ブラックウッド』ネタバレ注意「ウィッジが引き取られた先は、速記術を発明したブライト博士のお家だった」(レビュー)。 #読書


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シェイクスピアを盗め! ゲアリー・ブラックウッド ウィッジの本当の拠り所

孤児院育ちのウィッジが引き取られた先は、速記術を発明したブライト博士のお家だった。ある日、ウィッジとブライト博士の二人でいるところに怪しげな男がやって来た。その男はブライト博士の著書をもとにその場にやって来たという。彼の目的はブライト博士が発明した速記術は本当に身に付けられるかどうかということだった。

しかし、ブライト博士が速記を教えたのはウィッジただ一人であった。ウィッジ自身、それを身に付けるために1年はかかっているにも関わらず、博士と来たらたったの2、3ヶ月で身に付くのだと大見得を切ってしまう。訝しく思うその男だが、ブライト博士にお金を支払うとなんとウィッジを買い取ってしまったのだ。孤児院から博士の家、それから怪しげな男の家へとウィッジの心は張り裂けそうになる。どの場所もウィッジにとって、いい場所であったとはいえないが住めば都で離れがたい思いがあったのだ。しかし、ウィッジの意思に反し博士の家を去ることになるのだが、なんとひょんなことから憧れの地ロンドンの地を踏みしめることになった。夢にまで見たロンドンでウィッジの役目は速記を使って、シェイクスピアの芝居のすべてを書き取るというものだった。小さなメモを片手に速記を繰り返すが、なんとその大事なメモをどこかに紛失してしまうという失態を犯してしまう。慌てたウィッジはなんと劇団員として、潜り込むことを計画し実行に移す。けれど、劇団員としての暮らしにウィッジはいままで味わったことのない本当の場所に出会っていってしまう。芝居を盗まなければならない使命と、自分を支えてくれる場所を見つけたその狭間で、ウィッジ少年は果たしてどのような決断を下すことになるのか。シェイクスピアを知っている人も知らない人も、スピーディーな展開を取りこぼさぬよう読んでほしい一冊です。