「ストックホルムの密使」佐々木譲 太平洋戦争、この情報が東京に伝われば原爆投下は避けることが出来た?
『1945年、ストックホルムの海軍駐在武官大和田は「ソ連が日本に宣戦する。アメリカが原子爆弾の開発に成功、日本に使用する」という極秘情報を手に入れた。大至急この情報を東京に伝えて戦争を講和により終結しなければ日本が壊滅してしまう。
『1945年、ストックホルムの海軍駐在武官大和田は「ソ連が日本に宣戦する。アメリカが原子爆弾の開発に成功、日本に使用する」という極秘情報を手に入れた。大至急この情報を東京に伝えて戦争を講和により終結しなければ日本が壊滅してしまう。
現代のアメリカ、スキーリゾート地である小さな村の老舗のスープがメインのレストランで殺人事件が起きる。
〈妖怪〉時代小説傑作選というタイトルに惹かれて手に取ってみました。書き下しかと思ったのですが、全て再収録みたいです。大御所の宮部みゆきさんと畠中恵さんのは既に読んでいます。霜島ケイさんが時代小説を書いていたのは知っていましたが読んだことがありませんし、小松エメルさんのうわんはタイトルは知っていたのですが読んでいませんので買ってみました。
まず、最初にタイトルに惹かれた。新選組が龍馬を守る?龍馬暗殺の犯人と言われることもある新選組が?
という訳で、本書を手に取ったが、新選組の母体が江戸で結成された話から上洛するまでの話が延々と続く。清河八郎や近藤勇については、かなり掘り下げてある。
主人公は、殉職警察官を父に持つ「玲子」さんです。24歳にして、警察署の副署長です。キャリアなのですね。
もともと薬丸岳さんが書く小説が好きだったのですが、今回も期待にそぐわない小説でした。いつもながらの少年犯罪に関する事柄をテーマを元に読みやすく、それでいて最後までどうなっていくのか、読み手の想像を超えてくるストーリーとなっていて一気に読みきることができました。
紺屋の女将が主人公です。亭主が殺された事件の真相を探るべく、動き出しました。二人の女性を仲間にして、自らいろいろと、探っていきます。
藍の産地から、江戸へ仇討ちに出てきた若いお侍も加わります。どうやらそれぞれの敵が、近い関係にあるらしい・・
初めて読む作家さんでした。舞台は東京都の吉祥寺です。住みたい街ナンバーワンにも輝いたことのある人気の住宅地です。無農薬や有機栽培の野菜などを売る自然食品の店で、一個250円の高級卵「極卵」が売られていました。その卵から食中毒が発生するという事件が起こります。
松浦理英子著、「葬儀の日」を読んだのだけど、一行目からその文章の魅力に惹かれていた。
文学的な文章に感じられながらも、その意味が捉えられ辛さが、魅力になっている。なき女と笑い女、二人に他者が仕事の時だけながら、濃密(と言わざるを得ないのがおもしろい)な関係が読んでいて嫉妬せざるを得ない。そしてその才能さえも一つの時代背景があるからのような、客観的な諦観もまた、魅力的だ。
円城塔と云えば、シュルレアリズムをSFや文学とつなげて現代に蘇らせた、文学の錬金術師の観がある。
その円城塔は伊藤計劃が残した原作をもとに正統派ヴァンパイア小説「屍者の帝国」を描いたりしている。一方芥川賞を受賞するなど、純文学の分野でも新進気鋭の作家として活躍をしている。
昭和5年の歌舞伎座で、「忠臣蔵」の上演中に、花形役者が、毒殺されます。好物のどら焼きの中に、毒が仕込んでありました。
男が拳銃で撃たれて死亡します。司法解剖した法医学者から、心臓に達していた弾丸は、一度止まってから、また動いたと報告が来ます。いったいそれは?どういうことなのか?・・始めから、大きな「謎」が、立ちふさがります。犯人はだれなのか?
主人公の涌井和沙が病院のベッドで目を覚ますと、森千鶴という赤の他人になっていたというところから物語は始まります。自分は一年前に殺人事件の被害者となっていたことが明らかになり、ショックを受ける和沙。恋人だった慎介を心配しますが、彼は歯科医の仕事を辞め犯人への復讐に燃えていたのでした。
寒天問屋の主人が、目の前で起きた「仇討ち」を、止めに入り「銀二貫」で、買い取ります。その時の残された子を、引き取ることになります。侍の子ですが、辛抱の出来る子で、店を背負っていくほどに成長していきます。
やはり札幌に大通警察署が舞台の警察モノ。面白い、最後まではらはらさせてくれて、さすが佐々木譲です。この人の警察モノには、単に警察組織の歪な部分だけでなく、人間の機微や弱さをうまく描いてくれます。
さすがとしか言いようがない出来です。こんな本を自分で書けたら最高でしょうね。