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思い出のレシピ 塩むすび
私の両親は共働きで、しかも母は病気がちで入退院をくり返していたため、
幼い頃、私は祖母と過ごす時間が本当に多かったです。
だから私には、「おふくろの味」とともに、「おばあちゃんの味」もたくさんあったりします。
なかでも一番の思い出の味が、塩むすび。
炊きたての真っ白いご飯に、しっかり目に塩をつけて、ふわっと握った小振りのまんまるおむすびです。
私がグズグズ言うと、おんぶであやしながらウロウロしてくれ、
そして塩むすびを握ってくれました。
おんぶしたまま庭先を歩きながら、それを手で小さくしては、私の口へ放ってくれました。
おばあちゃんの背中で揺られながら食べた、あの、あったかいおむすびが、本当においしかった！
時々思い出され、たまらなく食べたくなり、作ったりします。
そんな塩むすびは、もちろん我が家でも大人気です。
熱々のご飯に、しっかり目に塩をつけ、手で、愛情を込めて握ります。おばあちゃんと同じように。
食べるときに、ほろっと崩れそうになるくらい、ふわっと優しく握ります。
白いお米と塩だけ。これが一番おいしくて、一番ほっこりできる。
しあわせになれる、思い出の味です。
