寄稿をいただきました。
大槻ケンヂさん(筋肉少女帯、特撮)の独特の世界
最近では夏のロックフェスの常連にもなり、幅広い年齢層に知られるようになった「筋肉少女帯」。
私がまだ初々しく悩み多き10代だった頃に最も熱くなったバンドのひとつです。
ボーカルの“オーケン”こと大槻ケンヂさんは当時から女の子に大人気で、その浮世離れした独特の世界観から“カリスマ”と呼ばれていました。
案の定、後年にはご自身の著作でSF文学賞を受賞されたり、「エヴァンゲリオン」の庵野秀明氏を始めとする様々な著名人に影響を与える事となったのですが。
私は、大槻ケンヂさんというよりは、大槻さんが生み出す世界にどっぷりとはまっていました。
ファンになった当時の私はまだ小学生でしたが、何しろそれまで一度もライブなどに行った事も無かったのに、テレビで「キノコパワー」という曲のPVを見た途端、何かに憑かれた様にチケットを予約し、一人で会場に走ってしまったのですから。
『オーケンは私の気持ちを代弁してくれている』。そう感じていたファンは多いと思います。
筋肉少女帯のライブは、自分の力ではどうにもならない辛く苦しい現実の悲しさを爆発的に昇華させてくれる、夢の様な空間だと思います。
大人になり、洋邦を問わず様々なジャンルの音楽を聴くようになりましたが、大槻さんの作る世界と筋肉少女帯(または特撮)が奏でる怒涛のように美しい音楽は、私の心の根っこの奥深くに広がっています。