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ホーリーランド
ひきこもりの青年だった主人公「神代ユウ」が成長し、尊敬していた路上のカリスマ「伊沢マサキ」に挑む。これは最初から予感していた事だったけれど、その勝敗よりも強い結末を持ってくるのは予想外だった。自ら歩もうとしていた道を進む事が出来なかったユウは、自身が尊敬する者になる事を選択したのだ。自分の尊敬する人間は、もう夜の街にいないから。しかしそれは、代替わりや引継ぎとは違う。
受け継がれていき、そして受け継ごうとするユウの意思を感じられた。夜の街に逃げるしかなかったユウは、そこに居場所を求めようとしていた。だからこそ、同志の気持ちは分かるのだろう。そしてそれを導く為に、夜の街に彼はいる。これはハッピーエンドなのだろうか、と悩んだが、ユウが夜の街から去る、すなわち表舞台に立ち、格闘技の試合に出る事がハッピーエンドなのかと言うと、それも違うのだろう。居場所は場所じゃなく、仲間と過ごす時、貰った言葉が積もった胸の中に出来る消えない聖地。その意味をようやく理解したユウは、聖地を胸に抱いたまま、新たに聖地を求める者達を助ける存在になったのだ。
