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恋文の技術(森見登美彦)感想・書評&あらすじ・守田一郎、主人公は某大学院の研究室に籍を置く…ネタバレ注意。


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寄稿頂きました。

恋文の技術

森見登美彦の書簡体小説です。
主人公は某大学院の研究室に籍を置く、守田一郎。
研究の為に飛ばされた能登半島のはじっこの研究室で、寂しさあまって妹、友人、先輩などへ大量の手紙を書いて書いて出しまくる。
勉学や恋に悩みまくり、悩んだ挙句に“手紙だけで女性を篭絡できる「恋文の技術」を会得し、代筆のベンチャー企業を興す”ことを豪語してしまう。
無駄に大量の手紙を出しまくるが、肝心の一番手紙を書きたい相手には勇気が出せないでいた…。
ヘタレで鈍感、頑張っても裏目に出てばかりの守田。
こんなロクでもない守田が、はたしてまともな恋文を書けるのか!?

「恋と友情と将来に悩み、成長する」青春のお話なのです。
とにかく、登場人物が余すことなく魅力的!守田の友人でマシマロマン「小松崎友也」、美人だがドSの先輩「大塚緋沙子」、能登半島の研究所で守田を罵倒しまくる軍曹「谷口誠司」、家庭教師をしていた元教え子の小学四年生「間宮少年」、そして大学部時代の先輩の小説家役で「森見登美彦(作者本人との因果関係は不明…でも関係あると思いたい)」
などなど、個性的すぎる面々が盛りだくさん。
森見ワールド全開の言葉のチョイス、軽快な掛け合いはさすがです!
手紙のやりとりだけでお話が進んでいくのに、これほどまでに読み手の想像と笑いをかきたて、登場人物への愛と憐憫の情を起こさせるその技術、お見事です!!