寄稿頂きました。
『しゃばけ』から・・・
畠中恵さんの“しゃばけ”シリーズ。江戸。廻船問屋兼薬種問屋の若だんな。体も弱く、すぐに寝込んでしまう。何度も死の淵を行ったり来たり。こんな体の弱い若だんなが主人公?なんだけど、若だんなには、見えないものが見え、聞こえない声が聞こえる。いかにもこの時代にいそうな妖(あやかし)たち。
しかも若だんなは、妖と人間のクォーターらしい。だから周りの人には見えない妖が見えて話ができる。若だんなの住む離れには鳴家(小鬼)や狐に河童、等々ほんとにいるかも?なんて思ってしまうほど、江戸にぴったりの登場者たち。そんな体の弱い若だんなの周りで人々や妖の色々な事件や出来事があり、それを若だんなだけでなく妖たちも一緒に解決してゆく。時代小説ではあるけれど、とても軽い本で読みやすいです。畠中さんの本は読んでいて情景が思い浮かぶ優しい文章です。