ナカノ実験室

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果つる底なき/感想&あらすじ・池井戸潤によるデビュー作で、江戸川乱歩賞を受賞した作品…ネタバレ注意。


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寄稿頂きました。

果つる底なき

2013年流行語大賞にもなった「倍返し」を生み出した「半沢直樹」の原作者、池井戸潤によるデビュー作で、江戸川乱歩賞を受賞した作品です。
元バンカーである作者ならではのリアリティーが、嫌味なく作品全体をコーティングしています。文字で感じるというより、読み耽っている内に、そのリアリティーの中に自らが埋没してしまっているという、氏の世界観を体感できる秀作であると思います。

二都銀行融資課課長代理の主人公の伊木が、謎の言葉を残し死んだ、同行融資課課長代理で友人の坂本の死の真相を探ろうと奔走。それを機に次々と紐解かれる数々の謎・・・
これまでに読んだミステリー作品の何れにも類似しない、まったく新しい金融ミステリーです。じわりじわりと迫ってくる見えない真実には、恐怖にも似た面白さが感じられ、今まで知ることのなかった銀行とう特殊な業界の、決して表立つことのない闇の部分に触れることができます。
終盤の畳み掛けるような展開は爽快にして痛快。隠し味に徹底的にこだわった、大人の料理を食べたような、記憶に深く残る名作です。