寄稿頂きました。
SAMURAI7(サムライセブン)
SAMURAI7は私にとって、武士や侍といったものをテーマにしたアニメの中でも最も“侍らしさ”というものを感じられた作品です。
最終回で泣けたのがキクチヨのシーン。元は農民だった彼が村を守り抜いてみせた、その強さと気概と心の優しさが胸に痛かったです。足だけが残ったあの衝撃的な場面、コマチが受けた悲しみを思うと辛すぎました。
最後、「また負け戦だった」と言うカンベエの心境がどんなものだったのか、私にははっきりとは分かりませんでしたが、カンベエたちサムライを何が何でも雇い入れ、カンベエたちと共に戦い大地と共に生き延びたという、そのしぶとい生命力を見せた農民たちこそが勝利者であるという意味であったのだろうか、と思います。
カンベエの生き様は本当に私にとっての理想の“サムライ”でした。闘いにおいて、一流のその剣技だけではなく、とにかくしぶとくしつこくあらゆる方法でもって生き延びることを優先するそのスタンスに、生死に対する信念を感じさせられました。そしてまた、常に淡々としていながらも仲間に対して厚い信頼を持っていることが感じられ、仲間の死を受け取る彼の言葉や態度は、どの場面でも印象的でした。