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狭小邸宅/感想&あらすじ・不動産会社に就職した主人公が売上至上主義に翻弄される…ネタバレ注意。


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寄稿頂きました。

第36回 すばる文学賞受賞作「狭小邸宅」

不動産会社に就職した主人公が売上至上主義に翻弄される様子をリアルに描いている小説です。私自身、新入社員の頃、飛び込み販売をし、まさに売上至上主義の渦中にいた経験があります。

売上は毎日ランキングで全社員に公開され、朝から晩まで住宅地をさまよい、とても辛い日々でした。主人公の売上のためにお客様の前で演じる姿や、ノルマを達成できずに苦悶する姿が、当時の自分の姿と重なり、あっという間に読んでしまいました。全体的に読みやすく、どんなに苦しくても諦めずにノルマと向き合う主人公の姿には勇気をもらいます。上司とのやり取りやお客様との交渉の様子は営業現場が非常にリアルに描かれていて面白かったのに対し、彼のプライベートの部分、特に彼女とのやり取りの部分は少し薄っぺらく感じました。また、ラストシーンは意外というよりも唐突で、物足りなさを感じたのは残念です。