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マリア・ビートル(伊坂幸太郎)感想あらすじ・個性的な殺し屋達が面白い、色々な種類の邪気を…ネタバレ注意。


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寄稿頂きました。

マリア・ビートル 伊坂幸太郎 個性的な殺し屋達が面白い

その電車に乗っているのは、色々な種類の邪気を持つ人々。
まずはプロの殺し屋「蜜柑」と「檸檬」の2人組。依頼を遂行中。
とにかく怖いが、性格的にはどこかチグハグしていて、読んでいて憎めないところもある。しかし、その憎めない無邪気さが、余計に怖さを引き立てる。
そして、とことん運に見放されている「天道虫」。なぜその性格で殺し屋なのか、本人も疑問を抱いているようだ。しかし、1番共感できる人物。
次に、息子の復習に燃える「木村」。

そして、一見無邪気な中学生の「王子」。
木村の息子は、入院しており、その原因をつくったのは王子だ。
王子は中学生なのに、悪賢く、頭が切れて、大胆。自分に絶対の自信をもっていて、罪悪感を感じない、人間らしくない存在。この物語の状況をかき乱す人物。
読んでいると、この王子が最も共感しにくく、悪の塊に見えてくる。
そして最後にピリオドを打つ、謎の多い「スズメバチ」。
この小説の魅力は、まずはスリル。狭い空間ですれ違う登場人物達の誰がいつ死ぬのか、ハラハラする。
そして、キャラクターの面白さ。キャラクターとキャラクターが接触すると、思いもよらぬ方向に進んでいくところも面白い。
そして、何人かが死ぬにも関わらず、最後はしっかり納得させてくれる。後腐れもないエンターテイメント的作品だと思う。