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感想・書評:陽気なギャングの日常と襲撃(伊坂幸太郎)あらすじ・彼らのポリシーは人を傷つけずに、颯爽と盗んでいく事…ネタバレ注意。


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寄稿頂きました。

陽気なギャングの日常と襲撃 伊坂幸太郎

陽気なギャング。そんなのはギャングらしくないと思われがちだが、この作品に登場するギャング達は明らかに一般人のような生活を送り、思考回路も異常ではない。陽気なギャングというよりは、むしろ一般人だ。しかし、彼らはギャングであることは間違いない。銀行強盗を平然とやってのけるし、他のギャングを罠に嵌めたりするような奴らであるのだから。この作品に登場するギャング達は4人いる。

しかも、そのどれもが特殊な能力を持っている。いわば天才というやつだ。彼らのポリシーは人を傷つけずに、颯爽と盗んでいく事だ。その天才ギャング達を紹介したいと思う。一人目は成瀬。彼は市役所勤めのごく普通の男性だが、他人の嘘が見抜けてる能力を保有している。このギャングのリーダー的存在である。二人目は響野。彼は演説の達人で、止めどなく言葉を紡ぐことができる。南極の人にビーチパラソルを購入させる事もできるとか。三人目は久遠。人間よりも動物を愛し、人を犬種として分けたりする青年。恐らく彼が一番異彩を放つ存在だろう。特技はスリ。四人目は雪子。女性であるが、ドライビングテクニックは不良少女の頃に磨いた物がある、更に時間をコンマ単位で把握できる人間時計である。これらのギャング達によって構成されている。今回の作品は、前作の陽気なギャングが地球を回すの続編である。あいかわらず、伏線が会話の中に盛り込まれている事が多く、注意して会話を読まないと伏線さえ理解できずに物語が進んでいく。風景の描写や、人物の心の変化が多い小説に比べ、会話で物語が進んでいく小説が好きな人におすすめしたい本だ。