ナカノ実験室

ナカノ実験室が行う実験的なブログです。

スポンサーリンク

11人いる!(萩尾望都)感想&あらすじ・宇宙大学の最終実務テストでグループ10人で挑むも、搭乗したメンバーは…ネタバレ注意。


【おすすめ情報】知らない人は損している!「アマゾン業務用ストア」で便利でお安く。
  • 「11人いる!」

面白いところ。

 宇宙大学の最終実務テストでグループ10人で挑むも、搭乗したメンバーは11人。宇宙漂流の中、冒頭からパニックになりながら、メンバーで助け合い、度々のアクシデントにも対処しながら結束していく。
 人間の深層心理を読み解きながら、最後まで気になる11人目の真実に迫るラストが驚きである。

好きなキャラ。

 設定が宇宙大学の最終テストなので、各惑星から集まったメンバーが個性的。地球人は、実はそのメンバー内では印象が薄く脇役である。唯一、テラ出身主人公のタダトスも、控え目で秘密と謎を抱えた大人しい少年である。ヒロイン役のヴェネ星出身のフロルが物語のキーヤーで、男メンバーの中で両性体である彼女は「オレ」と自分のことを呼び、ヤンチャで愛嬌がありとても可愛い。

好きなエピソード。

 タダトスが、宇宙浮遊事故にあったフロルを自らの命を投じて助けたシーン。
 結局、メンバーにより浮遊は免れたが、決定的にタダトスがフロルを好きであるのを証明したところ。フロルが女性として生きる気持ちが芽生えたところ。

おすすめ。

 古い作品だが、アニメがあるのでそちらもおススメ。死と危険を伴う状況下の中で、メンバーが其々に自分の役割を担って統率していくが、最終トラブルで伝染病と対峙して本能がむき出しになってしまい、タダトスを攻撃対象にしてしまう。
 11人目が判明したラストや、タダトスがフロルにポロポーズするなど、道徳的に愉しめ考えさせられた。

作者に関して。

 宇宙がステージとなる作品を多く輩出しているが、物語の切なさと相乗するイラストが好きである。切ない描写に長けていると思う。