- 「11人いる!」
面白いところ。
宇宙大学の最終実務テストでグループ10人で挑むも、搭乗したメンバーは11人。宇宙漂流の中、冒頭からパニックになりながら、メンバーで助け合い、度々のアクシデントにも対処しながら結束していく。
人間の深層心理を読み解きながら、最後まで気になる11人目の真実に迫るラストが驚きである。
好きなキャラ。
設定が宇宙大学の最終テストなので、各惑星から集まったメンバーが個性的。地球人は、実はそのメンバー内では印象が薄く脇役である。唯一、テラ出身主人公のタダトスも、控え目で秘密と謎を抱えた大人しい少年である。ヒロイン役のヴェネ星出身のフロルが物語のキーヤーで、男メンバーの中で両性体である彼女は「オレ」と自分のことを呼び、ヤンチャで愛嬌がありとても可愛い。
好きなエピソード。
タダトスが、宇宙浮遊事故にあったフロルを自らの命を投じて助けたシーン。
結局、メンバーにより浮遊は免れたが、決定的にタダトスがフロルを好きであるのを証明したところ。フロルが女性として生きる気持ちが芽生えたところ。
おすすめ。
古い作品だが、アニメがあるのでそちらもおススメ。死と危険を伴う状況下の中で、メンバーが其々に自分の役割を担って統率していくが、最終トラブルで伝染病と対峙して本能がむき出しになってしまい、タダトスを攻撃対象にしてしまう。
11人目が判明したラストや、タダトスがフロルにポロポーズするなど、道徳的に愉しめ考えさせられた。
作者に関して。
宇宙がステージとなる作品を多く輩出しているが、物語の切なさと相乗するイラストが好きである。切ない描写に長けていると思う。