「溺れるナイフ」はまさに思春期まっただ中のナイフみたいな少年少女たちの話
最近完結した「溺れるナイフ」。やっぱりキャラが立っている漫画というのは例にもれずおもしろい。ある事件により輝かしい未来を曇らせどん底に落ちる主人公「夏芽」、同じ事件により「特別さ」を失った「コウ」、コウちゃんを異常なまでに崇拝する「カナ」。この三人が物語の主軸と思われる。
私としては「大友」というキャラクターが一番年相応の男の子らしくて好きだったのだが、いろいろと残念な結果になってしまった。いや、でも大友が良い結果になってしまったら、きっと「溺れるナイフ」は溺れてもいないしナイフでもない「タイトルに偽りあり」漫画になってしまう感は拭えないが・・・。登場人物は全員万人受けするわけないキャラで、これが作者・ジョージ朝倉の世界である。好き嫌いは分かれそうだが、好きな人は絶対だだハマり間違いなし。ラストさえもだだハマりファンでさえ賛否が分かれるものだったが、その型にはまらないところも含めてこの漫画の魅力だったのではないかと考える。