一言感想
ふざけてるのか本気なのか良くわからないし、作中の台詞や文字が多くて読みずらいです。でもものすごく面白いです。恋するのが下手くそな人というか消極的すぎて流れに流されるだけなのがもやもやしますが、主人公視点だけではなく女の子からの見方も描かれているのがいいです。
面白いところ。
主な登場人物たちが全員自己中心的な印象を持ちました。思いやりがないというか、「どうしてこうなっちゃうの!?」ばかりで読んでいて、いや...そりゃそうなるでしょと思わずにいられないです。ただいちばんおかしいのが、主人公が肥えたり痩せたりするところです。このへんの年代の人は体の変化が激しいとずっと思っていたので思わず笑ってしまいました。
好きなところ。
二兎を追ってる感じがなんとももやもやする前半でしたが次第に主人公の気持ちがはっきりしいくのが好きです。かいつまんで読んでしまうと「なんだ結局美人がいいのか」となりますが遠回りしすぎだし紆余曲折しすぎ、でもじっくり読んでいくと恋愛はこうでなくちゃと思えるので読み応え抜群です。
好きなキャラ。
土井亜紀(どいあき)という美人な女キャラです。垣間見える本音が美人ならではな感じで、美人ゆえに男性を勘違いさせてしまう描写も苦労している感じが伝わってきます。「絶対好きにさせてやる」なんてかっこよすぎます。私は最終的にこの人と結ばれて欲しかったのでラストで一方的に別れ話をしたときはびっくりしましたが最後の最後でいい展開になったので読み終えてすっきりしました。でも4巻のあとがきでは...。一体どちらの結末なのか気になります。
好きなエピソード。
主人公、藤本幸世(ふじもとゆきお)が土井亜紀の家に入るシーンです。土井が酔いが回って思い切りベッドで嘔吐してしまうのですが、藤本はその醜態にひかず逃げすちゃんとフォローするのです。実はまったく同じ経験をしていて、泥酔した私は絨毯に盛大に嘔吐し、その後服と絨毯を捨て風呂に入らせ数年後に結婚までしてくれた私の夫と重ねて読んでなんだかこのシーンは好きです。恥でしかありませんが、きちんと面倒見てくれるなんてすごすぎます。私ならとっとと帰ります、汚いし。
おすすめ。
すごーっく読みにくいですが、あとがきが面白いです。なんでそんなに卑屈なのかわかりませんが、作中に同じ境遇の漫画家が出てきて苦しいほどその人物に自分を重ねているので面白いです。漫画家は体力勝負だとよく聞きますがそんなに生活が狂うのだろうか?不思議に思います。
作品に関する思い出。
この作品はものすごくブームになりました。2010年には「モテキ」が流行語大賞にノミネートされたり、森山末来が主演でドラマ化したり一時期はみんなが読んでる、ってくらい人気でした。私は最近読んだのですが読んで納得の面白さでした。
作者に関して。
この作品で初めて知りました。あとがきを読むと主人公に似ているそうで、読んでいると何だかそんな気がしました。卑屈で、でも面白いと思います。
その他。
先にドラマの存在を知ったのですが、主人公が森山末来だったのでチャラチャラした性格なのかと思いました。上品さがあまりなく、飾らない等身大の恋愛が読んでいて心地よかったです。