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南瓜とマヨネーズ全1巻(魚喃キリコ)感想&あらすじ・主人公ツチダとその恋人せいいちの物語…ネタバレ注意。 #マンガ


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一言感想

失敗しないとわからないっていうのはきっとこういうことを言うんだろうな、と思わせてくれる一冊です。恋人が何を考えているかなんてわからない、なぜなら自分がどうしたいのかさえわからないから。

面白いところ。

これは不器用に生きていく、主人公ツチダとその恋人せいいちの物語です。読み進めるとのどになにか引っかかったような苦しさを感じます。ツチダは元恋人の「ハギオ」のことが忘れられず「彼だったら~」と思いながら生活しています。物語中でつぎはぎのように、でもきちんと二人で生きていく姿はこの作品の一番いいところだと思います。

好きなところ。

家の中の様子が好きです。とてもごちゃごちゃとした生活感で溢れていて、清潔でそこらじゅうに愛を感じ取れます。そこで生活している人が自分との生活を大事にしているからこそのあの清潔感がでるのだと思います。魚喃さんの作風はあまりごちゃごちゃした線を描かないので余計に質素な美しさが際立っています。

好きなキャラ。

せいいちです。せいいちがツチダの服を洗濯していてふと違和感を覚えるシーンでは彼がいかにツチダを想っているか感じとることができます。ツチダが売春をしている事実を知った時、別れを切り出すのではなく仕事を始め、かつその稼いだ金を捨てろ、と言ったところは本当に胸が苦しくなりました。

好きなエピソード。

ツチダが仕事中に晩御飯の買い物リストを描くというシーンです。「...鳥ひき肉、ねぎ、中華だし(略)...”なべ”?」と、聞かれツチダは微笑みながら「なべ」と答えます。なべの中身ひとつでも家庭がでるんだなあと思いました。小さなテーブルにカセットコンロを置いて、一緒にご飯を作る二人。そうやってずっと仲良くしていられたらいいのにねという気分にさせれる、このエピソードが好きです。

おすすめ。

魚喃さんの作品中で、このツチダとハギオが交際していた当時の話が読めます。彼らがどうやって別れたのかがわかりますが、正直胸糞悪くなります。特に、この南瓜とマヨネーズでツチダの回想で出てくるパジャマの真相がとても不快です。

作品に関する思い出。

この作品で初めて魚喃さんを知りました。読んだときは衝撃的でこんな恋愛を私もするんだろうかと想像していました。ツチダとせいいちのような複雑な同棲生活ではありませんでしたが、この作品を何度も思い出すような出来事はなんどもありました。