感想
肉眼で「温度」を感じることが出来る主人公楠野香也。動物園管理者見習いでいろんな動物と関わりながらその生態の不思議や問題などと向き合っていきます。実際に起こっている問題やスッキリ解決、とは言えないような話もありますが、敏感で繊細な動物たちと真剣に向き合う主人公の姿に感動してウルッときてしまうこともありました。
さすがイブニング、と思ってしまうくらいタメになるのに、うなるほど面白かったです!正直もう少しカワイイタッチのイラストだといいのにな、と思っていたのですが2巻のあとがきで作者が「地味といわれ続けているのでもうそれで行くことにした」そうなので吹っ切れて描いている分には納得の絵だと思います。どんなに人情的になっても命の価値が決まってしまうこの世界で辛いことも理不尽なこともたくさんあるでしょうがそれでも一つ一つ投げやりになることもなく頑張っていてすごいです。8巻で完結してしまっているようですが一番印象に残ったのはイリエワニの話です。犬や猫でも捨てる人は許せないのに、大型の動物で爬虫類を捨てる人はもっと許せないです。だいたい家族と思っていないんでしょうか、私は1匹の雌猫を飼っていますが、彼女が病気をしてその治療費が何十万だったとしても助けると思います。カワイイからとかそうではなく、もうすでに家族だからです。あんな簡単に捨ててしまった男を許せないと思いました。