感想
過去に売れていたが今は全く売れなくなってしまった漫才芸人の黒沢飛夫が、相方から「コンビ解消」を告げられるところから物語が始まります。やけになり、トラブルを起こした彼は留置場に送られてしまいます。そこで出会った全身タトゥーのあれくれ物、鬼塚龍平は頭がかなりきれるのか話術に長けており、黒沢は彼に「俺と漫才を組まないか」と持ちかけます。
映画化されているようですが、ドロップの方が有名で全くこの作品は知りませんでした。話はどんどんとテンポよく吸うんでいくのであまり深く考えずに読んでいくとかなり楽しめます。なにより、「留置場」という底辺な場所で出会った人物が運命の出会いだったということからもう面白そうで読んでみたくなりました。読む前はしつこい絵柄だなと思っていたのですが、不思議と読んでいくうちに慣れてスラスラと読めました。最大の特徴はヒロインというか女性キャラが出てこないところだと思います。そのせいかあまり「あれくれ者」と言われてもすぐ血が騒いで乱暴をする人物というよりはキレ者という印象を受けます。女性キャラの使いようによりますが、やっぱり女性が絡むと面倒なことになるような気がするので、この作品は面白かったなと素直に思えました。