「しわ」(原題:Arrugas) ジブリ配給作品
いわゆる子供向けの作品でないアニメとして「しわ」を紹介します。
高齢者の認知症、アルツハイマー、人生の終末を描く、大人むけの社会派アニメといっていいでしょう。
原作はスペインの漫画「皺」です。スペインで劇場アニメが制作され、ジブリが配給しました。
この作品を日本へ持ってきたジブリは本当に偉いと思います。
老年の男性・エミリオは認知症の症状が出るようになり、養護老人センターに入ることになりました。
銀行マンとして働いていたエミリオは、そんな自分の状況を認められませんでした。
はじめその施設に入ったときの、ひどい症状の人々を見ていると、自分はまったく普通の人間だと思えてました。
毎日記憶が変わる人、いきなりいなくなる人、家族から見放されてしまった人…。
そんな施設の人々となかなか馴染めませんでしたが、自分の症状もどんどん進み穏やかになっていくエミリオ。
実際、私達は家族や自分自身がいつかそうなってしまうことがあると思います。
または、今そうなっている人も。
この映画はその問題に正面から立ち向かい、1つの優しい意見を提示してくれます。
見た後は心が苦しくなりますが、同時に希望も持つことができました。