感想
「クローン」を題材としたSF漫画。と紹介されていましたが、歴史上の人物たちがこれでもかと出てくるのでものすごくおもしろく、これまでに読んだことのないジャンルですごく読み応えがありました。それでもやっぱりジャンルは学園ファンタジーらしいですが。
冒頭より、「ここに並ぶのはただ、偉人の名前ではない。ある学園の生徒たちである。西暦二×××年。彼らは遺伝子工学の粋を集めて作られた子供たち。いわゆる「クローンである」」と書かれています。誰かの生まれ変わり、というかその人物がやり残したことを請け負わなくてはならないという宿命を抱いて生まれてきたなんて悲劇すぎます。
登場人物たちが通う学校はセントクレイオ学園というのですが、唯一クローン人間ではない生徒がいて、それが神矢史良という少年です。クローンたちと学園生活を共にしていく上で彼らの抱える「偉業を成さねばならない」という強迫観念に似たものの大きさやそれぞれの苦悩を目の当たりにしそのによって彼自身も苦しみ悩みます。
ですが、物語が進んでいくにつれ、なんと彼もクローンだという事実が発覚。彼はセントクレイオ学園の創始者のクローンだったのです。ナポレオンとヒトラーが直接対決したり、西太后がいたりとかなり面白いのですが、運命という恐ろしいものがとても怖くなる作品だと思いました。