感想
陶芸家の祖父と二人で暮らしていた主人公で高校生の藤吉サリナは、ある日東京から祖父に弟子入りしたいとやってきた若者松田涼に恋心を抱いていました。涼は彼女の父が大財閥の高階グループのオーナーで、その父が今危篤状態になってしまったので自分と東京に行ってほしいと告げます。
しかしあと少しのところで間に合わず、父は息を引き取ってしまいます。後日涼から告白され、有頂天になる主人公でしたが、それは純粋な愛ではなく、義務に近いもので、この涼の家である松田家と自分の家である高階家の因縁を断ち切るために動きだすといったストーリーです。
この作品はドラマになったようですが、こんなどろどろとした作品、よくみられるなと思います。自分の父親の秘書と結婚することになったり、祖母である女性の死に立ち会ったりとなんだか面倒なことのオンパレードで、読んでいられないです。それでなくとも結婚してその義両親というのは小さなことでいさかいになりやすいというのに。
優しくてかわいらしい感じのタッチの作品なのに、ドロドロとしていてどうにも気分がよくなかったです。あまり深く考えたり、自分と重ねたりしないでこういう人間模様もあるのだなと割り切って読むと結構面白かったです。