感想
なんとなくアクの強い登場人物たちの上手くいかない日常を1話で完結するように描かれている作品です。基本的に主人公やその登場人物たちが報われないようなものすごく胸糞悪くなるような後味の悪いすっきりしないような終わりが多いです。
単行本の方ではカバーに「心がざわつく思春期コミック」と書かれていましたが、思春期関係なく少し歪んだ感じがなんとも言えず、作者ワールド全開といった感じで怖いもの見たさで読み進めてしまいます。特に、「自分ではそう思いこんでいたのに事実は全く違っていて青春特有の甘酸っぱさが精神に来るトラウマ話になる」という流れのショートストーリーが嫌だなと思います。
こういった精神的に来る怖さは人間が考えて行動する生き物だから起こりうるのだと思いますがだとしても自分が普通に生活していたことが一気に逆転してしまい、それまで何とも思っていなかった他人である人たちがいきなり自分を白い目で見始めるというのは怖いなと思います。
第1巻での、幼馴染だと思って話しかけていた男の子が実は自分のことなど全く知らず、男の子の本当の幼馴染である女の子の記憶を自分のものだと勘違いしてしまっていた、という話が今のところ一番気持ち悪いな感じます。実際にこんな体験をしたことがある人なんているかいないかの世界だと思うのですが、この思いこみというのが怖いなと思いました。