ナカノ実験室

ナカノ実験室が行う実験的なブログです。

スポンサーリンク

感想・書評「清水次郎長:一筆庵可候」ネタバレ注意・保下田久六や黒駒勝蔵との血で血を洗うような抗争は他の侠客には見られないほど血生臭く(レビュー)。 #読書


【おすすめ情報】知らない人は損している!「アマゾン業務用ストア」で便利でお安く。

『清水次郎長』(一筆庵可候)は侠客の代表作

清水次郎長と言えば、日本の侠客の第一に挙げられる人物です。保下田久六や黒駒勝蔵との血で血を洗うような抗争は他の侠客には見られないほど血生臭く、そして報復に次ぐ報復となっています。しかし、意外なことに清水次郎長は明治維新が起きてから侠客とは思えない行動を取るのです。

本書には清水次郎長が咸臨丸撃沈の死人を丁重に葬って「壮士之墓」を立てたエピソードや富士山南麓を開拓したこと、さらには相良油田を開発したことなどが紹介されています。つまり、清水次郎長は江戸時代は侠客として生きましたが、明治維新以降は社会事業家として生きた稀有な人物なのです。事実、清水次郎長が過去の罪に問われた際には助命嘆願が行われて特赦になっていますし、最期の時には侠客には珍しく畳の上で大往生を遂げています。江戸時代と明治時代で彼の人物像は全く違うものなのです。私は清水次郎長は血生臭い抗争に明け暮れた人物だと思っていましたが、本書を読んでそのようなイメージは清水次郎長の一面でしかないことを知りました。何だか少し清水次郎長のイメージが自分の中で変わったような、そんな感じがします。